


曾根博義先生(1940-2016)は知る人ぞ知る古書マニアです。
内澤旬子さんの『センセイの書斎』(幻戯書房)の大トリを飾る塀式の書庫は圧巻で、特に昭和初期のモダニズム関連の書籍・雑誌を集めてらっしゃいました。本書はその曽根先生の遺稿集です。
先生は近代文学、なかでも伊藤整を専門とする学者ですが、今回の『私の文学渉猟』では、研究色の強い原稿の収録は避けて、文学、古本探訪、雑誌収集といった、読み物としておもしろい原稿のみを集めました。
「索引がこんなに面白くていいのかしら」、「芥川龍之介と宇野千代」、「文芸評論と大衆―昭和三〇年代の評論の役割―」、「『新日本文学全集』と戦争下の出版状況」、「第一書房版『ユリシイズ』の怪」など、大盛りの48編収録の読み物アンソロジー。
仕様:四六版変形/上製/400ページ
発刊:2022年1月
発行:夏葉社