瞽女とは、村々を門付けして歩く盲女の旅芸人をいう。江戸時代には各地に存在したが、戦後、地主の没落などで廃れていく。最盛期、上越高田には一七軒の瞽女屋敷があり、それぞれが組をつくり、越後や信州の村々へ喜捨の旅に出た。重い荷物を背負った不自由な道のりは大変過酷なものだったというが、今では失われてしまった「人の情け」が確かに存在していた。
「瞽女三部作」を著した著者が、今、あらためて、一年の大半を旅に過ごした瞽女の生き様を描き直す。
仕様:新書判/256ページ
発刊:2023年3月
発行:平凡社
[プロフィール]
大山 眞人 (オオヤマ・マヒト) (著/文)
1944年山形市生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家。おもな著書に『取締役宝くじ部長』『S病院老人病棟の仲間たち』(ともに文藝春秋)、『悪徳商法』(文春新書)、『昭和大相撲騒動記』『団地が死んでいく』『親を棄てる子どもたち』『「陸軍分列行進曲」とふたつの「君が代」』(以上、平凡社新書)、『宝くじ戦争』『スタインウェイ戦争』(共著、ともに洋泉社新書y)、『わたしは瞽女』『ある瞽女宿の没落』『高田瞽女最後』(以上、音楽之友社)などがある。