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「vanitas No. 008」

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21世紀に入って、ファッションビジネスのサイクルはますます加速しています。その原因のひとつに、ファストファッションと呼ばれるビジネスのありかたが挙げられるでしょう。最近ではSHEINというブランドの生産背景が問題含みであることが一般のニュースでも取り上げられたりしていますが、これはなにもSHEINにかぎった話ではなく、さまざまなファストファッションのブランドに対してずっと指摘されてきたことです。 ファッション業界においては、エコファッションやエシカルファッション、あるいはサステナブルファッションといったさまざまな呼び名のもと、環境への配慮や生産者の労働環境の向上、あるいは動物愛護などの観点の必要性が謳われてきました。しかしながら、新しさへの欲望を喚起するビジネスモデルが変わらない限り、根本的な解決にはならないようにも思われます。 一方、環境や労働の問題のみならず、文化の盗用やルッキズムといった文化的な問題についてもさまざまな形で議論が起こっています。これらは比較的新しく議論され始めた主題であり、その定義や線引きなど、十分に共通理解が得られているとは言えません。一足飛びに法整備をするようなことはおそらく難しいと思われますが、一定のルールやガイドラインを共有することは必要かもしれません。そこで、今号は「倫理」をテーマとすることによって、これらの問題を考えるためのきっかけを提供できればと考えています。 今号は、日本のファッションブランドとして初めて「B Corp認証」を取得したCFCLのデザイナー・高橋悠介氏へのインタビュー、ファッション誌の編集者を出自としながらファッションロー専門の弁護士として活動する海老澤美幸氏のインタビュー、整形やドーピングといったいわゆるエンハンスメントについての研究を行っている倫理学者の佐藤岳詩氏のインタビュー、ファッション論と技術哲学の接点を探る水上拓哉氏の論文、環境としての皮膚という観点からこれまでもファッション論で語られてきた皮膚論を更新する加戸友佳子氏の論文、アルトゥーロ・エスコバルを手がかりにバイオファッションの現状を整理する小野里琢久氏の研究ノート、「地域文化商社」という新たなカテゴリーを創出・実践している白水高広氏のエッセイ、デザイナーのルーツと作品を結びつけることに対する問題提起を行う赤阪辰太郎氏のウェールズ・ボナー論に加え、ファッションと倫理の問題をさまざまな観点から考えることのできる書籍紹介・展覧会紹介を掲載しています。それに加えて、齋木優城氏、工藤源也氏、角田千尋氏による公募の論文と批評も特集テーマに呼応しています。 これまでの号と同様、特集テーマに対しての間接的なアプローチに見えるかもしれませんが、そこかしこに「倫理」について考える種が散りばめられているはずです。 (introductionより) 仕様:四六変型判/並製/184ページ 発刊:2023年3月 発行:アダチプレス [プロフィール] 蘆田 裕史 (アシダ・ヒロシ) (編集) 1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターなどを経て、現在、京都精華大学デザイン学部准教授、副学長。専門はファッション論。著書に『言葉と衣服』(アダチプレス、2021年)、『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ――私と社会と衣服の関係』(共編著、フィルムアート社、2022年)、訳書にアニェス・ロカモラ&アネケ・スメリク編『ファッションと哲学――16人の思想家から学ぶファッション論入門』(監訳、フィルムアート社、2018年)などがある。本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。 水野 大二郎 (ミズノ・ダイジロウ) (編集) 1979年生まれ。英国王立ロイヤルカレッジオブアート・ファッションデザイン博士課程後期修了。芸術博士(ファッションデザイン)。慶應義塾大学環境情報学部准教授を経て、京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab教授、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授。専門はデザイン学。共著に『クリティカルデザインとはなにか』(BNN新社、2019年)、『サーキュラーデザイン――持続可能な社会をつくる製品・サービス・ビジネス』(学芸出版社、2022年)、『サステナブル・ファッション――ありうるかもしれない未来』(学芸出版社、2022年)などがある。社会とデザインを架橋する実践的研究に従事している。

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