


武田豊詩選集
澤村潤一郎編
滋賀県長浜の町で、小さな古本屋「ラリルレロ書店」を営んでいた詩人武田豊は、詩人仲間や町の人から、おっちゃんと呼ばれて親しまれた。ダダから出発し、素朴な抒情が温もるもの、社会悪に抗うものから、おっちゃんらしいとぼけたユーモアやメルヘンを交えたもの、郷土への思い溢れるものへ、その詩風を追って、長浜生まれの編者が編んだ選詩集。
この無類の純良の人間は、彼がそこにいて、極度の近視鏡をかけ、頓狂な声でものを言うそのことだけであたりの空気はしずかになり、何かしら懐しげな人息のあたたかい、眼にも心にも和らいだものが自然にふんわりと彼をつつみ、彼を見る私をも包んでくれるような気がするのである。 ― 天野忠
仕様:105ミリ×159ミリ/並装/212ページ
発刊:2023年11月
発行:龜鳴屋