






生粋の小説家徳田秋聲の俳句集、全310句を収録して、初の刊行。
「秋聲文学は何の変哲もない市井の日常を淡々と描いたとされるが、その俳句もまた極めて秋聲らしい変哲のなさの中にきらりとした光彩を放っている」 ー 編者・大木志門
春雨に草履ぬらしつ芝居茶屋
生きのびて又夏草の目にしみる
森に来れば森に人あり小六月
十輪の薔薇の莟や血肝のごとく
ベースボール苺の野辺は荒にけり
人魚とワルツ踊らむ月の霄
無花果の秋となりけり水うわさ
水をのむ猫の小舌や秋あつし
折々は妻の疎まし冬籠り
ー『徳田秋聲俳句集』より
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仕様:118ミリ×160ミリ/上製/204ページ
発刊:2023年7月
発行:龜鳴屋