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わずか数年前の出来事。だがいま、その生々しい記憶をわたしたちは忘却しつつあるのではないか?
世界を一変させ、あれほどわたしたちを不安と恐怖、混乱に陥れたコロナ・パンデミック。
刻々と伝えられる感染拡大情報、政府や自治体から次々と発されるアラートや指針に右往左往した日々。
マスクをめぐる混乱、無観客で開催されたオリンピック、繰り返す感染拡大の波──。
20世紀初頭に起きた人類史上桁違いの災厄「スペイン風邪」を忘却していたことに思いを馳せ、
不可逆的に変容してゆく「日常」を見つめつつ書き継がれた美術批評家椹木野衣によるコロナ週報。
コロナ・パンデミックの恐慌が世界を襲った2020年3月から4年に渡る連載時評を書籍化。
「忘却」に抗い、遠からずまた訪れる「反復」に備えるために──。
仕様:四六判/並製/280ページ
発刊:2024年5月
発行:左右社